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JOURNAL

Vol.4 | 土に還る服が、命をつなぐ野菜になる

「土に還る服が、命をつなぐ野菜になる」

― 暮らしを耕す循環という思想 ―

「ゴミとして終わるのではなく、命をつなぐものへ」──
そんな想いから、ENSULOの素材であるPIECLEX(ピエクレックス)を堆肥化し、野菜へと還す取り組みに参加した鴨志田農園。
かつて47都道府県と30カ国を巡り、2014年から農家としての道を歩み始めた鴨志田 純さんが語る“循環”の実践には、暮らしに根ざしたリアリティがあります。

「週一回の古着回収のうち、6割は廃棄されてしまう。その現実に向き合ったとき、“国内で完結できるならやりたい”と思ったんです」

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PIECLEX素材を堆肥化した際、温度や配合の工夫を重ねながら、地域で手に入る鶏糞や馬糞、米ぬかなどを組み合わせて仕上げていく。
60〜70度の高温環境でじっくりと分解されていった素材は、やがて安心して食べられる野菜を育てる土壌へと変わっていきました。

「普段作っている堆肥と遜色はない。でも、服が土に還り、野菜として体に入る。その“循環”の過程が見えること自体に、大きな意味があると思っています」

野菜の種類や調理方法によって堆肥の配合を変えるなど、食卓の“出口”から逆算して土づくりをする鴨志田さん。
その視点には、日常とつながったやさしいサステナビリティがありました。

落ち葉が土に還り、木の栄養になるように、人の営みも本来は自然の循環の中にあるはず。
けれど、いつの間にか私たちはその流れから離れ、「蛇口をひねって終わり」という感覚の中で暮らすようになった。

「人間だけが、自然のサイクルから逸脱してしまっているんです」

だからこそ、「コンポストという“ちょっとした変化”が、暮らしを見直すきっかけになる」と鴨志田さんは語ります。
洗濯物を干すように、生ごみを干す。生ごみがきっかけ生み、暮らしが変わる。
そんな循環の入り口は、意外と身近な場所にあるのかもしれません。

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食べるという行為は一日三回ある。それは一日三回、社会を変えるチャンスでもある。
たとえば家庭から出る生ごみを分解できるだけでも、大きな循環の一部になるのです。

「育ててみると、自分の体に入るものへの関心が変わる。お金で買うって簡単だけど、野菜の背景を知ることで、“関係性”に価値を感じられるようになる
服が資源として土に還り、野菜になり、また誰かの体をつくる。
その循環が当たり前になった未来では、“ゴミ”という言葉が少しずつ消えていくかもしれません。

ブラックボックスだった社会を、ホワイトボックスに変える。
生産者は伝える努力を、消費者は知る努力を。それが、次の世代に誇れる暮らしのあり方かもしれません。

鴨志田農園が耕しているのは、土だけではなく、未来そのものなのです。私たちENSULOは共に努力し、新たなライフスタイルを提案し続けていきます。