Vol.3 -Ep.1 | 未来につながる糸を縫う
「未来につながる糸を縫う」
― バイオスパン糸との出会いと挑戦 ―
「着る人にとって心地よく、地球にもやさしい服をつくりたい」
ENSULOのものづくりを支える縫製工場では、そんな思いをかたちにするため、ある“初めての挑戦”に取り組みました。
それが、生分解性の「バイオスパン糸」の導入です。
この特殊な糸は、自然環境に配慮しつつも、従来のミシン糸に比べて太さや性質が異なるため、縫製には高度な技術と調整が求められます。
「最初は糸調子がなかなか合わず、ミシン業者さんにも相談しながら調整を重ねました。
カットソー生地は一度で綺麗に縫わないと針穴が目立ってしまうので、より慎重な作業が必要でした」
試作を重ねる中で、糸と生地の相性を見極め、最適な縫製指示を現場の職人へ丁寧に共有していったといいます。
細やかな確認作業を重ねながら、ひと針ひと針、手応えのある縫製が形になっていきました。
「最初はみんな緊張していましたが、だんだんスパン糸でも安定して縫えるようになってきて、他の製品でも自信を持って仕上げられるようになっています」
緊張感の中から生まれた成長と、現場に芽生えた“できる”という手応え。
それもまた、サステナブルなものづくりの一部なのかもしれません。