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カート

カートが空です

Vol.4 -Ep.2 | 命をつなぐ土をつくる

「命をつなぐ土をつくる」
― 暮らしを耕す循環という思想 ―

落ち葉が土に還り、木の栄養になるように、人の営みも本来は自然の循環の中にあるはず。
けれど、いつの間にか私たちはその流れから離れ、「蛇口をひねって終わり」という感覚の中で暮らすようになった。

「人間だけが、自然のサイクルから逸脱してしまっているんです」

だからこそ、「コンポストという“ちょっとした変化”が、暮らしを見直すきっかけになる」と鴨志田さんは語ります。
洗濯物を干すように、生ごみを干す。生ごみがきっかけ生み、暮らしが変わる。
そんな循環の入り口は、意外と身近な場所にあるのかもしれません。

食べるという行為は一日三回ある。それは一日三回、社会を変えるチャンスでもある。
たとえば家庭から出る生ごみを分解できるだけでも、大きな循環の一部になるのです。

「育ててみると、自分の体に入るものへの関心が変わる。お金で買うって簡単だけど、野菜の背景を知ることで、“関係性”に価値を感じられるようになる」

服が資源として土に還り、野菜になり、また誰かの体をつくる。
その循環が当たり前になった未来では、“ゴミ”という言葉が少しずつ消えていくかもしれません。

ブラックボックスだった社会を、ホワイトボックスに変える。
生産者は伝える努力を、消費者は知る努力を。それが、次の世代に誇れる暮らしのあり方かもしれません。
鴨志田農園が耕しているのは、土だけではなく、未来そのものなのです。